信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

バーチャル教育実習

 今,本学部で本年度に実施したバーチャル教育実習が注目されているようです。ご存じの通り,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と感染予防の徹底のために,本年度の本学部の教育実習はすべて中止になりました。3年次生の4週間の教育実習,4年次生の2週間の教育実習,4年次生の特別支援教育実習はすべて中止です。特別支援教育実習は1日実施した時点で中止が決定し,全員が引き上げました。加えて,1年次生の学校現場体験をする授業,地域の教育施設での体験,2年次生の1週間の長野市内小学校での職場体験もすべて中止となっています。
 その代替として,特に,3年次生対象の4週間に変わるものとして導入されたのが,冒頭のバーチャル教育実習です。本学部附属学校園の先生方の協力の下,附属学校園で実施されている授業を録画して,それをYoutube限定配信して受講生に視聴させる試みです。素人の私にとっては,ビデオの信大学生のみへのYoutube限定配信でさえ,すごい技術と感心しきりなのですから,バーチャル教育実習など類を見ない秀逸さで感嘆しきりです。全国の他大学から視察とヒヤリングに来るくらいです。
 バーチャル教育実習のすごいところは,①ビデオカメラが3設定されている点,②見る者が自由に視点を変えることができる点,です。いつでもどこへでも戻って視聴できる点は今では当たり前です。①に関しては,1つは通常のカメラ設定です。ここで言う通常の,というのは数台のカメラによる教室撮影によるものです。けっして1台のカメラではありません。2つめは授業者の頭に付けられたカメラ設定です。ヘルメット状にしてかぶるタイプもあるでしょうし,耳脇につけるタイプもあるでしょうが,今回は後者のタイプです。授業者の視点と動きと声かけがすべて分かります。これだけでもものの見事です。
 そして3つめが教室真ん中に据え付けられた360度カメラです。使ってみると良く分かりますが,この360度カメラは操作する者が自由にカメラ角度を変えることができますと自由にズームのインアウトを代えることが可能です。すごい代物です。ですから,使用している受講生が自分の意図で自分の視点で自分のズーム位置で自由に選択しながら視聴することができるすぐれものです。
 上記,①②③を受講生が自由に選択しながら1単位時間の授業を自分の視点から自分の意図で好きな場面を繰り返し何度でもまた,同じ場面を異なるカメラ位置から何度でも繰り返して視聴することができるようになってます。たった1単位時間ですがされど1単位時間です。見飽きません。一度見て見るみるとやみつきになってしまいます。
 我々にとっては,これが教育実習の代替プログラムとして当たり前になっていますが,全国の他大学のみなさんにとってみれば,当たり前ではないのでしょう。引く手あまたなのが分かるような気がします。