信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

発信側と受信側の受け止めのズレ

 手書きでワールと書かれた宅急便の再配達通知書をもらったことがあります。宅急便に書かれた文字である文脈からそれがクールであることは当たり前のことなのでしょうが,そのときの私はワールとしか読めずに苦労した覚えがあります。発信側は必要な情報を相手に伝えたと思っているでしょうが,受信側はちんぷんかんぷんです。
 そんなことは,授業中にはしょっちゅうです。しょっちゅうなのですが,しょっちゅう起きていると教師は全然思ってないからやっかいなのです。私も,そんなこと聞いてませんと何度も言われた経験を持っています。ここが大切なのでテストに出ます,と言ってもダメです。情報は伝える側と伝えられる側の情報操作の負荷のバランスが異なるがためにズレるのが当たり前です。今流に言わせてもらえれば,双方にバイアスがかかっているので,同じバイアスを使わない限り合致することは難しいと言えます。
 受信側のバイアスに合わせることができるように,発信側の工夫が必要になってきます。受信側のバイアスが1つならなんとかなるでしょうが,それが数え切れないほどのバイアスとなれば手も足も出ません。選択肢を多く用意し,受信側のバイアスによって自由に選択できるような環境を整えてあげることがズレを埋める一つの方法であるように思えます。