信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

相手の文脈で語る

 スキーの季節がやってきました。スキーを楽しみにしている人は大勢いるでしょう。30年ほど前ならば,リフトに乗るのに2時間待ちをしたほど混雑していた物ですが,最近はそうでもないようですけれども,それでもスキーをしに長野県に来てくださる方も多いはずです。今年のコロナ禍下では我慢して控える方もいるかもしれません。しかし,雪国に生活する人間としては,やはり雪は少ない方が有り難い,というよりも降らない方が有り難いと思うところです。何十年も雪国で生活しているとそう思います。
 文脈が異なるので,その文脈に依存した文化を持たなければ,その文脈下での議論はなかなか理解できないところがあるものです。同じ事物なり同じ現象なりを見たり考えたりするときに,自分の文脈でとらえる場合と相手の文脈でとらえる場合には,評価が異なってきます。学校現場の教科の授業は,まさにそれです。
 先日,本学の次期学長候補者による説明会が行われました。みなさん素晴らしい方々です。教育学部の文脈で語ってくださる方がいれば,自らの主張をメインにして将来像を熱く語る方がいます。当学部長は,すべての候補者に対して,教育学部に対して期待することは何かを質問していました。次期学長が我々の学部に対して何を求めようとしているのかは注目されるところです。期待することを,当学部の文脈で語ってくださる候補者と自らの主張をされる候補者がいます。どのような文脈で語るのかは,相手との関係を大きく左右する物です。