信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

活動時間を確保する

 『学び合い』授業では,子どもたちの有能な力を信じて活動を任せます。したがって,子どもたちに任せる活動時間をたっぷりと確保することが望ましいです。ここでいうたっぷりというのは,分からない子どもたちが目標を達成するまで十分に活動できる時間という意味です。その活動時間としては,30分が必要です。目標を出して,評価方法,評価時期,評価規準を示すのに7分です。子どもたちに活動を任せる時間を30分取ります。そして,活動に入る前に「活動時間は○時○分までです。○時○分になったら,みんなができたかどうか確認します。」と語ります。そして,目標を全員が達成できたかどうか評価して,その結果を全員で確認し後,リフレクションする時間を8分取ります。30分を切って,子どもたちの活動時間が少なくなればなるほど,クラス全員の目標達成は難しくなってしまうことを,忘れずに頭の中に入れておくことです。このように考えると,小学校でしたら,授業の冒頭に目標を示して評価方法,評価時期,評価規準を説明するのに5分を当てたら,授業最後の評価を10分以内に治めるのがテクニックです。授業の冒頭で10分を使ってしまったら,授業の最後に評価する時間は5分程度となってしまいます。その意味においては,目標や評価方法,評価時期,評価規準についてしゃべりすぎないことが大切なテクニックとなります。そのためには,目標や評価方法,評価時期,評価規準については模造紙等に書いておいて黒板に貼っておくことも有効なテクニックの一つです。単元の一番最初の授業の時に,その単元の授業のすべての目標を一覧表にして印刷し,子どもたちに配付しておくと良いでしょう。そして,子どもたちの活動が始まったら,残りの活動時間をカウントダウンしていきます。コツは,「残り時間はあと何分か」を,分からない子が誰もいない状況をつくることです。体育の授業で使うような大きいタイマーを使うと便利です。いかがですか?『学び合い』の達人になるために発想の転換が必要です。45分(中学校の場合は50分)の間に子どもたちの活動時間としては10分あれば良いという発想から,45分(中学校の場合は50分)の間に教師の話す時間は10分あれば良いという発想への転換です。