信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

頼む側にしてみれば

 人にものを頼まれることがあります。これを買ってきてというものから,道を教えてほしいというものや,この文献の出典はどこなのかわかりますかや,これを教えてくださいまで様々です。

 頼まれたら余程のことがない限り断らないので,時間を割いて頼まれたことに対する回答を探します。自分の持っている知識や技能で効率的に解決に至るのであれば,短時間で終わります。そうでない場合には一緒になって解決を図ります。自分の仕事の手を止めて。余程のことがない限り,頼まれたことに向かいます。

 おそらく,頼んできた人は急いでいるのでしょうし,頼んできたことを解決しないと困る状況に陥るのであろうと思われますから。そこで思うことは,頼む側は,自分のことなので,頼むに至った経緯を十分に分かっていて頼みます。なぜ頼まなければならないことになってしまったのかはいやというほど分かっています。それを説明することによってより一層落ち込んでしまうことなのかもしれませんし,それを説明する時間が無いほど1秒や2秒を争うほど急いでいるのかもしれません。

 しかし,頼まれる側はなぜ頼まれるのか,なぜそれが必要なのかなぜ今それをしようとしているのかが分からないと腑に落ちない気持ちが残ります。頼む目的は何なのかが分かればモチベーションも違います。もちろん,それを話していると,頼むに至った最初からの経緯を説明しなければならないので,時間がかかるでしょうしその経緯を分かってもらえるかどうかも分からないので,頼む側にしてみれば二の足を踏む気持ちも分かります。答えだけ求められて,さあ早くやれ,とでも言われているようで困ってしまいます。

 『学び合い』の考え方では,最初に目的と意義を語ります。なぜ,『学び合い』の考え方が今必要なのか,と。なぜ,理科を学ぶのか,と。

 それが『学び合い』の考え方です。