我々が,教えるときには自動化を起こすことがよく知られています。簡単に言えば,自分にとって当たり前のことを説明せずに飛ばしてしまうことを言います。わざと飛ばしていじわるをしているわけではなく,自分でも知らず知らずのうちに飛ばしてしまっている,自分では飛ばしてしまっているつもりは全くないのですが相手にとっては飛ばされている,と言った方が当てはまります。
教えることを,自分の知っていることを知らない人に対して伝える行為であるととらえていることに依ります。
たとえば,「1+1」がいくつになるのかを「1+1は2です」と教えたとします。それはすでに自動化している証拠です。「先生,1+1はどうして2になるのですか?」と聞かれたら,「何を言ってるの?そんなの当たり前でしょ。まじめにちゃんと勉強しなさい。」と言っていませんか?1+1が2になる場合と1+1が2にならない場合があるので,それを相手が納得できる様に分かりやすく説明してあげないとダメです。
相手が何を言いたいのか分からない,という思いを抱くことはよくあることです。自分の抑止っていること分かっていることを,まったく知らない相手に伝えて何かを依頼しようとすることは,自分が伝えたいこと分かっていることに関して何でも全て知っている分かっているだけに,相手に対して自分の言いたいことがうまく伝わらず,なかなか難しさを伴うことです。