信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

相手の言いたいことが分からない,自分の言いたいことが伝わらない

 我々が,教えるときには自動化を起こすことがよく知られています。簡単に言えば,自分にとって当たり前のことを説明せずに飛ばしてしまうことを言います。わざと飛ばしていじわるをしているわけではなく,自分でも知らず知らずのうちに飛ばしてしまっている,自分では飛ばしてしまっているつもりは全くないのですが相手にとっては飛ばされている,と言った方が当てはまります。
 教えることを,自分の知っていることを知らない人に対して伝える行為であるととらえていることに依ります。
 たとえば,「1+1」がいくつになるのかを「1+1は2です」と教えたとします。それはすでに自動化している証拠です。「先生,1+1はどうして2になるのですか?」と聞かれたら,「何を言ってるの?そんなの当たり前でしょ。まじめにちゃんと勉強しなさい。」と言っていませんか?1+1が2になる場合と1+1が2にならない場合があるので,それを相手が納得できる様に分かりやすく説明してあげないとダメです。
 相手が何を言いたいのか分からない,という思いを抱くことはよくあることです。自分の抑止っていること分かっていることを,まったく知らない相手に伝えて何かを依頼しようとすることは,自分が伝えたいこと分かっていることに関して何でも全て知っている分かっているだけに,相手に対して自分の言いたいことがうまく伝わらず,なかなか難しさを伴うことです。

 

合格おめでとうございます。

 教職大学院に合格しました,と報告に来てくれた受験生がいます。合格おめでとうございます。ご本人の奮闘努力の賜です。少しだけ面接練習の手伝いをさせてもらっただけにやはり嬉しいです。心からお祝いします。2年間の充実した大学院生活を過ごすことができますよう心から祈念しています。

 

位置が分からないほどの

 私たちの目は顔の前に2つ付いています。右目と左目で見ることのできる映像が若干異なることによって見える物体との距離感を把握できる良さがあります。耳も同じです。右耳で聞こえる音の向きと左耳で聞こえる音の向きに微妙ながら若干の差異が生じますから,その違いを基にして音源の向きをある程度特定できる良さを持っています。
 仕事を終えてキャンパスからの帰り道には壮大な草原とまでは言えませんが,豊かな草むらが存在します。今,信号待ちのために止まっていると,その草むらからおそらく星の数ほどのバッタ等なのでしょう,虫の音の大合唱が聞こえてきます。右耳にも左耳にもキーンと響き渡る,つんざくような音で鳴いているのです。夏のセミと違って秋の虫の音はリズムがないように思います。ですから,耳に際限なく響き渡ります。あまりにも両耳に響き渡るが為に,どこから聞こえてきているのか音源を特定することができないほどです。数匹の鳴き声であれば,鳴き声の場所を探し当てることができるのでしょうが,あまりにも数が多いが為に特定できないほどの大音量なのです。秋です。
 秋の深まりを耳で感じるクロスモーダル現象です。

 

ありがとうございました。

 2ヶ月先の次の『学び合い』ライブ出前授業の1日の日程が届きました。ありがとうございました。環境構成が整うことは本当に何よりです。お陰様で,余裕を持った業務遂行を行うことができます。この有り難さは移動する当事者にしか分かりません。ご尽力くださった関係各位には心から感謝しています。

 

全国大会を終えて

 昨日をもって,先週末に行われた日本科学教育学会とこの週末に行われた日本理科教育学会の2つの学会の全国大会が終了しました。毎回のことながら,学ぶことが多く貴重な機会となっています。特に,自ら専門としている領域以外のセッションでの発表を聞くと,そこには宝のような情報がちりばめられていて自らのこれからの研究に貴重な示唆を与えてくれていたりヒントに結びつくような質疑応答が行われたりすることを見つけることができ,期待していないところこそ,原石があるように思います。我々に多くの学びを提供してくれた関係各位に心から感謝します。

 

教員養成

 昨日から日本理科教育学会第72回全国大会が2日間の日程で始まりましたが,昨日の最後に行われた北海道教育大学長の講演が印象的でした。理科教育にとどまらず,現在の教員養成の現状と課題について自らの経験に基づきながら語っておられた内容がこれからの喫緊の課題として教員養成系大学に求められているものとして捉えることができ,取り組んでいかなければならないと意を新たにしたところです。どうせ5年もいないんでしょという学生の言葉が原点であると語っておられた点,Ed.D.創設に向けた構想が心に残りました。理科における教員養成にも当てはまることとして聞かせてもらったところです。毎年充実した時間を過ごすことができていて感謝しています。

 

長野での学びの機会

 本学部は1年次に松本のキャンパスで学び,2年次から卒業まで長野のキャンパスで学びます。我々教員は,1年次のみなさまのために授業を行う際は,我々が松本のキャンパスに行って講義します。特急で約1時間,松本駅から路線バスに乗り継いで20分ほどです。
 このたび,彼らが長野のキャンパスに来てくれて1日学んでくれる機会がありました。長野に来るために早起きして1時間半近くかけて移動してきてくれたことに感謝します。みなさまが元気に揃って,有意義な学びを得てくれたことを嬉しく思います。先輩たちとも少しの時間ではありますが,交流できて良かったです。半年後,長野のキャンパスでまた会えることを楽しみにしています。松本での半年を元気に過ごしましょう。