信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

思い込み

 我々は,というと大げさかもしれず,私だけかもしれませんが,思い込みを持つことが多くあります。この目的を達成するためにはこの方法しかない,と思い込むのです。おそらく,その思い込みはそれまでの何回か,あるいはもっと数多くの日常的な経験から導き出されたより効率的より効果的であるとそれこそ私自身が思い込んでしまっているがために起きる現象の一つであると言えます。この目的達成のためにはこの方法しかないのだから,この方法でなんとか解決に向かおう,と。
 ところが,これもあるんじゃない?と周りの誰かに言われて,突然ハッとします。まあ,ハッとするようならばまだ救いようがあるでしょうが,ハッともせず全否定するかもしれません。全否定したらもう救いようはありませんが。ハッとする瞬間が訪れるのは,まさにだれかが自分に対して何か別の視点からもう一つのバイアスをもって進言してくれている有り難さです。そんな社会的な文脈を持っていることは自己更新に大いに役立ちます。
 学校現場ではどうでしょうか?
 思い込んでいたなあとリフレクションして,改めて学校現場での様々なことをリフレクションしてみると,この方法しかない,と思い込んで一直線でその方法で解決に向かっていることが多くありませんか?私の周りを見てみると,案外,それが多くあります。経験を積めば積むほど,思い込みやそれに類する行為が増えてくるように思うのですが,いかがでしょうか。私自身がそうですから。
 一度立ち止まって自らを冷静にリフレクションしてみることも大切でしょうが,一人でリフレクションしても思い込みを破壊してくれるきっかけをもたらしてくれる機会を得ることはなかなか難しそうです。だれか身近な人に相談してみるのは,そのきっかけをもたらしてくれる良い機会であると考えます。相談などと言うと大げさであれば,「自分は○○の方法でやってみようと思うがどう思う?」と,意見を尋ねてみるのも良いのでは,と思うところです。案外,自分の思い込みに風穴を開けてくれるかもしれません。