信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

鳴管

 私の研究室の南側には5階まで届こうかという樹木が生い茂っています。研究室の窓から外を眺めてみると,軽井沢の雰囲気があると評する方がいるくらい趣があって,心を癒やしてくれます。その樹木の枝に野鳥が止まってなく姿を見ることがあります。あまりに見事に鳴くのでしばし見とれてしまいます。
 見ていると,当たり前のことですが,くちばしを開けて鳴いています。けっして1音ではなく,複数の音階とリズムと強弱を奏でていますが,くちばしは一度あいたら動きません。つまり,一度くちばしを開けたまま,同じ(くちばしの)姿勢でいろいろな鳴き声を出すのです。人間の場合は口の中の空間と舌の動きによって様々な音を出していますから,そのことを考えると不思議なことです。
 ウィキペディアで調べてみると,鳥類以外の脊椎動物は発声に声帯を用いますが,鳥類は気管の分岐点にある鳴管を用いていることが分かります。鳥類は鳴管による発振音を気管末端の鼓室で共鳴させて発声するのだそうです。なるほど,それならくちばしが微動だにしないのに様々な音階の音を出している理由が分かります。