信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

1本の桜の木

 私の仕事机の目の前に令和3年度のカレンダーがあります。気が早いので,もう4月・5月の面を出しています。そこには,目を見張るようなきれいな桜の木が1本描かれています。ソメイヨシノであろう桜です。満開に描かれていますが,その色合いが実に見事で目を引くのです。何度も何度も顔を上げて,その桜を見ては心和みます。それだけ,私の心を引きつける秀逸の作品なのです。まるで,どこかの画家の方が描いたような。
 満開の桜の花びら一枚一枚が描かれているわけではないのですが,桜色も濃いところから薄いところがあって,そのバランスが絶妙です。私が書くような,花びら一面平板の桜色一色で塗りつぶしているような味気ないものとは一線を画しています。それだけではないのです。桜の木と言いましたから,木の色合いがまた,ため息の出るほどの素晴らしさです。濃淡がついていて,光の当たり具合の違いを見事に表していると言えるほどのもので,下の幹はもちろん太く,上の枝は細く,写実的です。そうそう,枝ぶりも桜の木を完璧に捉えていて,「はあーっ,へえーっ」と思わずうなってしまいます。
 まだまだあります。その桜の木が根を張っている地面の草がまた凄い色合いです。若芽の黄色がかった若々しい黄緑色,新鮮な新緑と言える鮮やかな緑色,そして老練とも言える深緑まで,緑を縦横無尽に使いこなしている美術家の作品です。私には,到底描けないほどの魅力を秘めています。
 このカレンダーは,毎年,本学部附属特別支援学校の中学部第3学年の生徒のみなさんが,卒業記念に制作しているものです。ですから,本学部附属特別支援学校の中学部3年生が描いた作品です。先生の手は加わっていません。モバイルのカメラで撮影し,パスワードをつけて永久保存版としました。これで,いつでも満開の桜に会って,彼らを思い出すことができます。笑顔と元気をたくさんプレゼントしてもらえます。私たちに素敵な感動をありがとうございました。
 みなさん,ご卒業おめでとうございます。これからも笑顔いっぱい,元気いっぱい,そしてずっと幸せでありますように。