信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

偶然

 偶然にできてしまうことがあります。特に,はじめて取り組んでみたことは無心でやるので,なんということはなしにできて唖然とすることもしばしばです。是が非でも目標を達成しようと全力で取り組まなければならない必然性が存在しないからかもしれません。

 ところが,もう一度同じことに挑戦してみると,案外,できないことがあります。あれっと思います。この前できたのに,と。どうしてできないんだろう,どうやったらできたっけ,どのようにやればできるのかな,と考え始めます。

 リフレクションです。

 文章化して残しておかない限り,どのようにすれば目標を達成するのかを再現することができなくなります。

 学校教育の場合,1年に1回きりのイベントや学びがけっこうあります。1年前にできたのに,どうやってやったっけ,と思い出そうとしますが,引き継ぎ書類でもない限り,なかなか思い出すことができず、困ってしまうことがあります。

 分掌が変わったときなどは,なおさらです。去年担当した人はどうやったんだろう,と思って問い合わせることもしばしばです。問い合わせを受けた方も,去年のことはおおかた忘れていますから,思い出そうとしてもなかなか思い出せず,どうやったかを伝えることができないこともしばしばです。

 分掌が交替することが自明ならば,次に交替することを前提に前担当者がどのようにやっているのかを逐一記録しておくことです。自分が担当しているならば,次担当者のために自分がどのように目標を達成しているのかを逐一記録しておくことです。

 来年に同じことをもう1回することが自明ならば,来年困るであろうそのときの自分のために,逐一記録しておくことです。それも,はじめての人が分かりやすいように,自分がそうであったことを忘れないうちに記録することです。それを頼りに,次回も目標達成に向けて効率的にアプローチすることができるようになります。

 偶然ではなく,意図して。『学び合い』の考え方では,毎日の授業においては授業の最後に,このリフレクションをしています。

 それが『学び合い』の考え方です。