信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

届いた宝物

 日本一の『学び合い』学校から宝物が届きました。子どもさんたちが書いたという文集の一部です。子どもさんたちが書いた内容を読みながら涙が出ました。研究室に一人でいて呼んでいるので声を上げさえしなければ泣いても誰にも迷惑はかけません。好きなだけ涙を出せます。嬉しい涙は,胸が熱くなってどんどん出てくるから不思議です。
 ものごとを客観的に見つめて冷静に分析する行為というのはなかなか難しいことです。どうしても私情が入るからです。かつて,”メダカの目”という学級通信を発行した学級担任がいてなるほどなあと思ったことがあります。メダカの目を通じて,学級内で起きていることを保護者の方々に冷静に伝えようとする試みです。自分の周りで起きていることがらを客観的に分析することさえ難しいことなのに,まして自分のこととなれば,まさに自分事ですから難しいです。
 ところが,涙が止まらなかった作文は,まさに自分ごとを冷静に見つめて自分のこと,学級のこと,友達のことをよく捉えている内容です。
 何度も経験を積んできた人間でも,そのときどきの環境になじんだりそれを嘆いたり,あるいはそれを諦めたりそれに対して腹立たしく思ったりするのですから,自己変革することは極めて難しいことであると思います。友だちを変えようとか学級をよくしようというのはもっと大変です。それだけに,子どもたち自身が,自らを変えていくことができたことや自らのことを率直に語ることのできるようになっておられることに敬意を表しています。
 さらには,その子どもたちが語っている先生の素晴らしさがにじみ出ています。こんな学級をつくりたいとかこの学級で過ごしたいとか思わせてくれる文化を創っておられることに感服しました。子どもたち自身に考えてもらって判断してもらい,子どもたちの出した結論をみんなで一緒にやっていこうという覚悟を持って臨んでおられるご様子がよく伝わってきて涙が流れます。それも,子どもたちの言葉で語られている点が凄いことです。日本一の『学び合い』学校だけあるなあと改めて思いました。
 こんな学校と,先生方と,そして子どもさんたちとご一緒できたことを光栄に思います。