信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

誰に聞いたらいいの?

 先輩に聞いていいんだよと言われて,あなたならどの先輩に聞くでしょうか。研究室では先輩から後輩に受け継がれる文化があり,その文化の中で異年齢で学んでいます。ですから,誰に聞いても差し支えないはずです。しかしながら,いざ,誰に聞いてもいいんだよと言われたら,はて誰に聞こうかなあと思ってしまいます。
 教室でも同じことが起きます。誰に聞いても何度でも聞いても何を聞いてもいいんだよ,遠慮しなくていいんだよ,と言われても子どもたちはいったい誰に聞くでしょうか。最初はやはり,どうしても相手を選びます。こんなことを聞いても文句を言わずいやな顔をせずやさしく分かりやすく教えてくれる子がいいなあと思うはずです。何度同じことを聞いても,絶対にいやな顔をしない子が良いです。「さっき教えてあげたでしょ!」などと言わない子がいい,私なら。
 分からなくて困っているんだから。分かり方は人それぞれですから,分かっている人が分かっているなりにしゃべったとしても,その分かり方は分かっている人が分かりやすいだけであって,分からない人には分かりにくいものです。そのことを分かっている人が分かっていれば良いのですが,だいたいはそうでないから分からない人にとっては,そんな人には聞きたくないと思ってしまいます。
 誰でもが分からないところからスタートしているのであって,分かっているところからスタートしているのではないのです。