信濃の国からこんにちは

信州大学教育学部の三崎隆です。私たちの研究室は『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

科学的に探究する力を育てる-小学校編:再現できる観察,実験を-

 理科は科学的に探究する力を育てる教科です。小学校の学習指導要領では理科の目標の最後の文言は「科学的に解決するために必要な資質・能力を次のように育成する」となっています。中学校の学習指導要領で理科の目標の最後の文言は,「科学的に探究するために必要な資質・能力を次のように育成する」となっています。
 それが理科の魅力です。
 理科ですから,探究の対象となるのは自然の事物・現象です。小学校の学習指導要領の理科の目標では「自然の事物・現象を」となっています。中学校の学習指導要領で理科の目標では「自然の事物・現象についての問題を」となっています。
 自然の事物・現象をないしは自然の事物・現象についての問題を科学的に探究する過程においては,①実証できること,②再現できること,③客観的にできることが求められます。小学校の場合,①の実証できることはできます。②の再現できることができるかどうかが勝負です。③はなかなか難しいです。
 ②の再現できることを求めるためには,「一生懸命やってみよう」とか「ぎゅっとやってみよう」とかはダメです。1回目に一生懸命やって2回目も一生懸命やったとしても2回目の一生懸命と1回目の一生懸命が同じとは限りませんから,2回目の一生懸命を1回目の一生懸命を同じ”一生懸命”で再現できるように観察,実験できなければアウトです。
 ですから,「一生懸命やってみよう」と声かけするならば,2回目に「一生懸命やってみよう」と言ったときに1回目の一生懸命と同じ一生懸命が再現できるように”一生懸命”の観察,実験方法を教えてあげるべきなのです。そんなことは無理だとお分かりでしょう。したがって,2回目に1回目と同じやり方で観察,実験できるような方法を具体的に指示することが肝要であることをお分かりいただけることと思います。
 「ほんの少しだけ入れてね」とか「少し時間をおいてみよう」もダメです。再現できません。
 それが理科です。再現できる観察,実験の方法を具体的に指示しましょう。