信濃の国からこんにちは

三崎隆です。私たちは『学び合い』(二重括弧の学び合い)の考え方を大切にしています。

学会全国大会

 本年度は各学会ともオンラインでの開催が多いようです。私が会員となっている学会はどの学会もオンラインでの開催となっています。対面ならば,先例があるので参考にできるところが数多くありますが,オンラインとなるとそれも学会初めてのこととなると手探りのところがあってなかなか大変です。対面であっても大変なのですからその準備,運営の大変さはよく分かるつもりです。
 来週末は日本理科教育学会の全国大会が予定されています。準備くださる実行委員会のみなさまのお陰で,順調に手続きが進んでいます。昨日,接続テストを無事に終えることができました。みなさまのお陰で発表に至りますことを心から感謝しています。

 

授業が始まるまでが勝負

 『学び合い』は考え方です。考え方であるだけに,共有さえできていれば子どもたちは自ら学びを進めていくことができます。誤解を恐れずに話させてもらえれば,環境構成がしっかりされていれば,オンラインでも十分に成果をもたらすことが可能です。教師が子どもたちのそばに付き添っていなくても大丈夫なのです。
 『学び合い』の考え方の授業観を思い出してみてください。「教師の仕事は,目標の設定,評価,環境の整備で,教授は子どもに任せるべきという授業観」です。肝心なのは,目標と環境構成と評価です。通常,環境構成のそれぞれの場面において,いわゆる教師の出番と称する関わりが極めて多いです。『学び合い』の考え方の場合は,それがありません。
 目標が提示されたら,あとは子どもたちが自ら学び,自ら自己評価し,相互評価します。全員の目標達成に向けて子どもたち自身が自ら動き出すのです。教師の出番はどこにありますか?学び合いとは同音にして異種なる教育活動です。
 もうお分かりでしょう。何度も言われていることですが,『学び合い』の考え方ではない授業では,授業の時に教師の出番がたくさんあって一生懸命になりますが,『学び合い』の考え方の場合は,授業が始まるまでが勝負です。授業の時は子どもたちの出番が目白押しなのです。

 

考え方であるだけに

 『学び合い』は考え方です。考え方であるだけに,共有さえできていれば対面でなければならないことはありません。みんなが目標達成するために自分には何ができるのかを考えることが,根幹を成す考え方だからです。対面でなければならないことはないので,対面ができない状況の下でみんなの目標達成のために自分に何ができるのかを,それこそみんなで考えることが,考え方の根幹です。
 もうお分かりでしょう。だからこそ,『学び合い』の考え方の下での教育活動が続くことによって不登校がなくなっていくのです。学級の中にいる満足度が高まって,QUが100%になっていく結果となります。対面によって成果を上げることができるのが学び合いであると仮にするならば,対面でもない状況の下で成果を上げることができるのが『学び合い』であると言えます。

 

ピーターパン

 本学部のキャンパスから山手に7-8分ほど歩いて行くと,斜度20-30度くらいの急坂となります。素人にとっては登山とも思えるような,息の切れる上り坂です。その上り坂を上っていって振り向くと長野盆地一体を見下ろすことができる絶景が広がります。向こうには志賀高原の山々があり,高山から須坂の扇状地が見事です。
 数十年前に,家族でディズニー・ランドに遊びに行ったことがあります。まだ,ディズニー・シーができていない頃です。その中に,ピーター・パンのアトラクションがありました。今もあるのでしょうか?空を飛んでいるような感覚でのんびりと楽しむことができ,私の一番好きなアトラクションです。
 キャンパス裏手の急坂を上って振り返ったときに見える長野盆地の絶景も,その空飛ぶピーター・パンのアトラクションに乗っているかのようで,とても心地よく感じます。しばらく登山はしていませんが,登頂したときの爽やかさを思い出します。

 

東経と北緯

 昨日標高を話題にしましたが,碑の標高表示の下には東経と北緯が記されています。当キャンパスは,東経138度11分07秒,北緯36度39分13秒です。分と秒の表示になっているのは,角度を表しているからです。
 経度はイギリスのグリニッジ天文台を基準にして東回りと西回りで,東経と西経が定義されています。時差を考えるときには,この経度が重要な決め手になってきます。グリニッジ天文台と地球の中心と現在地とで成す角度を持って,経度が表されます。当キャンパスは,グリニッジ天文台からおよそ138度東に位置していることになるわけです。
 一方,緯度は赤道を基準にして北と南で北緯と南緯が定義されます。緯度は時差に大きな影響がないので,欧米に行くときには時差が影響しますが,オーストラリアやニュージーランドに行くときにはそれほど気になりません。不思議なものです。当キャンパスは,赤道からおよそ36度の角度だけ北に位置している場所と言うことになります。経度も緯度も,厳密にはもう少し複雑な説明になってしまいます。
 地球上の位置は,この経度と緯度をもってすべての場所を正確に知ることができます。2地点の間の距離も知ることができるので便利です。

 

392m

 本学部のキャンパスには,かつて附属長野小学校,附属長野中学校が隣接していました。今でも,附属長野小学校の校舎の一部はキャンパスの建物として利用されていま。北西校舎として呼ばれています。その当時の碑が建立されていて,どの学校にもあると思いますが,そこには標高が記されています。当キャンパスは標高392mです。
 それほどの高地に位置するわけではありませんが,それでも海水面からはおよそ400mほどの高さにあることが分かります。JR長野駅付近は333mですから,そこからも60mほど上ってきます。善光寺ともども山腹に位置していることが分かり,キャンパスにくるまでに坂道を上ってきますから,なるほどと納得します。
 湿潤断熱減率に依れば,100m上昇するにつきおよそ0.6度ずつ気温が下がります。したがって,海水面からはおよそ2.4度気温が低いことになります。ですから,東京と比較すれば,2.4度くらいは気温が低いはずです。ところが,この文章を書いている時点で,東京よりも最高気温は2度高いです。長野が盆地によって気温上昇することによるのかもしれません。長野というと,避暑になるというイメージがあるかもしれませんが,確かに朝晩は冷えますが,日中はそれほどでもないのが実際です。

 

体育館の新築工事

 今,勤務している建物の裏手の空き地に体育館を新築する工事が始まっています。草を刈り,フェンスを整え,プレハブを建ててコンパネを敷いて,支柱を埋め込んでいるところです。土台をなるのでしょう。工事現場を3階から見下ろしながら観察する機会はなかなかないので,勉強になります。
 科学的な目で見ていると,なるほどと思うような実に効率的でかつ正確,安全に手際よく進められています。おそらく10mにも及ぶのではないかと思われるものが地中に埋め込まれますが,回転させながら,いわゆるねじ込んでいくという表現が相応しいような溶接しながら,地表面に垂直に埋め込まれていきます。科学・技術の素晴らしさを間近に毎日見ています。